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現場レポート

南房総を駆ける自動車道 ー 館山道富津北作業所(千葉県)

 東京湾アクアラインの開通から、10年が経ちます。
 この関連事業として、東関東自動車道千葉富津線(通称・館山自動車道、約21キロ)と一般国道、富津館山道路(約19キロ)の工事が来秋の貫通を目指し、急ピッチで行われています。
 現在、残された区間は富津中央ICの9,3キロで海岸から5キロほど内に入っています。翻せば、用地買収や地元の協力問題が最後まで頓挫していたということです。
 高速道を熟知する所長が「工期は17年の6月25日から19年の3月16日まで。経験上、このレベルの工事なら800日でしたが、今回は600日に短縮されたわけです。しかも設計変更に伴い、半年遅れの始まりとなってしまい、さらに3月ではなく、1月までに仕上げなければならない。うーん、地元問題と民営化のダブルパンチですね」と、苦笑する。
 続けて「民営化、つまり会社ですから、利益や効率を重視する、そのためには工期短縮やコストダウンを図るわけです。これらの数字が現場に安く、早くと。けれど今、社会問題になっているのは品質管理と安全ですね。矛盾しているというか、要求の幅がより広く、より多くなったということです」と補足する。

 何を重視し、理念とすべきか、これは建設業界のみならず、すべての産業社会、会社が直面し、問われていることではないでしょうか。
 ところで、内房は東京側から市川〜船橋〜習志野〜千葉、南下して市原〜袖ヶ浦〜木更津〜君津〜富津〜館山と続く。金鈴塚古墳、内裏塚古墳はこの地の歴史を物語る、第一級の史料と言える。潮干狩りや海水浴で賑わい、ゴルフ場や牧場が点在し、八街の落花生、館山のビワがこの地の特産物であります。
 現場はこの君津と富津の境界に位置します。
 JR佐貫駅から車で15分、本社からなら、先のアクアラインを走り抜け、一時間以内です。因みに、富津岬と神奈川県横須賀市の観音崎間は約10キロ、この一帯を浦賀水道と呼びます。実に近い。
 工事延長は1,260メートル。大雑把に3ブロックで、始点側には街道、真ん中には民家、終点側には水田があります。
 切盛作業は場内で処理し、外部との接触はありません。
 ただし、前提として、工区内には工業用水(鉄管)と飲料水(石綿管)が埋没し、市との協議が繰り返し行われてきたといいます。待った待ったの連続なのです。

 切盛土工は34,9万立方メートル。現在、6万立方メートルを終了。一日当たり、2,000立方メートルを処理しています。
 軟弱地盤対策工は4,9万メートル。この内、5,000メートルをDJM工法、他はペーパードレン工法を採用しました。
 法面工は6,3万平方メートル。
 コンクリートブロック積工は477平方メートル。
 補強盛土壁工は972平方メートル。FCB(軽量盛土)工法を採用、50%を終了している。
 補強土壁工は3,109平方メートル。
 用排水工、1,5万メートル。
 プレシャストカルバートボックスは3基。費用は高いですが、三ヶ月の工期を二週間に短縮させる代物です。1基を終了、そろそろ残り2基が仕上がります。他に、 パイプカルバート(コルゲート)は1基。付帯工一式。
 進捗率は30%で、地盤対策工、ブロック積工、土壁工、排水工等を完了しています。残り70%は数字的に、確かに厳しいものがあります。
 しかし、構造物関連は8月2日までに仕上げ、以後は切盛土工と法面工のみに専念するという、明確なヴィジョンを示しているので、心強い。盆明けから年内いっぱいが最盛期になるでしょう。

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